飲まなくても...脂肪肝に 男女とも10年で倍増 不規則食事、運動不足で重症化すると肝硬変に

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 肝炎や肝硬変はお酒をたくさん飲む人の病気と考えられていた。しかし、最近はお酒をあまり飲まない人の脂肪肝も増え、メタボリックシンドロームとの関係が注目されている。東京で開かれた日本肝臓学会では、生活習慣病と肝疾患のシンポジウムが開催された。

 鹿児島厚生連病院の今村也寸志総合内科部長は同病院健康管理センターの人間ドック受診者(三十~七十四歳)のデータを報告した。

 男性の脂肪肝は一九九五年の22%から二〇〇〇年33%、〇五年38%と増加。女性は13%から二〇〇〇年に21%に増え、〇五年は横ばいで、男女ともここ十年でほぼ倍増している。

 脂肪肝がある人には肥満が多い。ところが、男性の体格指数(BMI)を二〇〇〇年と〇五年で比較すると、肥満の割合には差はなく、体脂肪率が増加していた。

■肥満だけでなく

 今村部長は「最近の脂肪肝の増加は肥満だけでなく、不規則な食生活と運動不足による内臓脂肪の増加、筋肉量の減少も関与しているとみられる」と分析した。

 脂肪肝の中でも、お酒を飲まない、あるいはあまり飲まない人の脂肪肝が「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」だ。西原利治高知大准教授は「国内の成人の8%がNAFLDと推定される」と指摘した。

 NAFLDは、一日の飲酒量がアルコール換算で二十グラム(日本酒一合、ビール中瓶一本程度)以下と少なく、B型やC型肝炎ウイルスの感染もないのに、肝臓に中性脂肪が過剰にたまった脂肪肝の状態だ。

■男性は30代から

 脂肪肝はもともと女性より男性に多いが、NAFLDも男性が多く、三十代から急増する。女性は閉経期前後の四十代後半から徐々に増える。一九九〇年代から増加が目立ち、血糖値や血圧が高めのメタボリックシンドロームを併せ持っていることが多いという。

 NAFLDの多くは単純な脂肪肝で比較的良性だが、肝臓に炎症がある「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は要注意だ。

 脂肪の蓄積で肝臓の血管が圧迫されたり、過剰な脂質が酸化されることなどが原因で炎症が起き、組織の線維化が起きると考えられ、NASHが重症化すると肝硬変から肝がんへと進行することもある。NAFLDのうち10%程度がNASHとされている。

■肝炎移行を防ぐ

 血液検査と超音波検査で肝炎の疑いがある場合、細い針で肝臓の細胞を採取する肝生検で診断する。

 脂肪肝の治療の基本はまず生活習慣の改善だ。食事に注意し、運動を増やしてゆっくりと体重を落としていく。単純な脂肪肝を放置せず、NASHへと進行することを防ぐことが重要だ。

 NASHになっている場合は、生活習慣改善とともに、積極的な薬物治療が必要とされる。単純な脂肪肝でもNASHでも、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病がある場合は、それぞれの治療も大切だ。



(熊本日日新聞2007年9月22日付朝刊)
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